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TOKY Staff Blog
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栽培

この植物難しいですか?簡単ですか?

2018.09.09

DSC_0964無遮光の露天栽培で夏を過ごすマダガスカル植物と南アフリカ植物たち。

 

 

TOKY東日本橋実店舗に立っているとよく聞かれるご質問。

 

「この植物難しいですか?」「この植物簡単ですか?」

 

これを聞く気持ちはすごく分かります。

 

一般的 (そもそも一般的など存在していないが) に難しいか、簡単か、という基準があった方が購入の動機になるのとなんとなくの安心感を得られるからと思っています。

 

ただ、どの視点、どの立場、どんな環境、などの基準を設けない、もしくは共有せずにこの質問をしてもほとんど意味がありません。

 

大切な植物を購入する際、一番本当に有益な情報を得るためには、まずは基準を、というお話です。

 

 

 

 

 

 

 

 

私どもがこの質問を受けた際によく聞くのは、得意な植物、もしくはしっかりと生育できている植物などを聞きます。

 

全くの初心者のお客様の場合は植物を置ける環境、建物の立地、日当たりなどを確認します。

 

なので、私どもがそのあたりを探っていけば済むことではあるのですがお客様もその場で色々聞かれても普段から考えてないと上手く答えられないことが多いなと感じています。

 

例えばですが、マダガスカル植物のパキポディウムを無遮光の状況で生育しておりある程度自信がついた方であれば、ナミビアの平原に自生する植物などは同じ環境で行けると考えます。

 

そこには良質な日光と通風、そして安定した水やりが存在する、と認知できるわけです。

 

逆にそのような遮光のできない状況で、球状のユーフォルビア(例えばオベサやバリダなど)はオススメはしません。

 

育てたことのある方ならお分かりだと思いますが上記に挙げた植物は現代の過酷な夏の環境の場合高確率で球体が焼けてしまうでしょう。

 

ただ、ややこしいのは目の前に公園の木々が溢れ、それが木陰を生んで、さらに風通しがよければ焼けないこともありますので一概に言えません。

 

 

DSC_095250%のネットで遮光していても焼けてボロボロになってしまったアデニアの葉。この種はレッドリーフで葉が赤黒いので多くの熱を持ってしまったと考えています。

 

 

なので、そういった環境であるとか、得意な植物であるとか、もしくは逆に苦手な植物を意識した上でお話をしていただけるとスムーズかと思います。

 

話はすこしズレますが、私達が農家さんに伺って仕入れを行う際「これってうちの環境でいけますか?」と聞くことがあります。

 

それはその農家さんがTOKYの環境を知っているから「柔らかい光と涼しい所好きだからちょっと合わないかもね」などアドバイスをいただけたりします。

 

それはその環境や栽培練度という基準を知ってくれているので割と的確な意見になっていると考えます。

 

 

DSC_0956夏に成長が鈍化するハオルチアの多くはTOKYの環境ではちょっと苦戦します。

 

 

上記写真のハオルチアなどは本当に苦戦します。

 

ガラス温室に遮光を施し、サーキュレーターを回しても面積が少なく上手く風が循環してくれないために多くのハオルチアを星にしてしまいました。

 

現在はテラスのワイヤースタンドの下二段目に置いています。一段目にはアガベやアロエが50%の遮光ネット下にあるので鉢と鉢の間から漏れる柔らかい光で生育しています(サーキュレーターの風をお忘れなく)。

 

 

DSC_0968暑さにも寒さにも強いエケベリア・メキシカンジャイアント。

 

 

強健なエケベリアであれば真夏でも無遮光で栽培します、ただこれは少し工夫がありまして。

 

生い茂る木々のような植物の下に配置し、木陰のような状況を作りつつとても通風の良いところに置いているため今年の酷暑も元気に乗り切っています。

 

 

 

 

 

 

 

 

長くなりましたが…
「この植物難しいですか?」「この植物簡単ですか?」

 

この質問をする前に一度自分の栽培練度、得意な植物、環境を把握してみてはいかがでしょうか?

 

 

 

 

あと、余談ですが、「遮光ってなんですか?」というご質問も多いのです 涙。

 

遮光とは太陽の光を100%当てずに、遮光ネットや網戸、レースのカーテン、ブラインドなどを間に介することで強光線を軽減させることを指します。

 

意外に多くて驚いたのですが、遮光=光を当てない。と考えている人がいることです。

 

「遮光しろって言われたから光の届かない明るい部屋のテーブルに置いてます」など(もちろん育成ライトなどは無い)。

 

多くの光を求める多肉植物ではよほどの練度の高い方で無いと育てるのは困難です。

 

思い込みって怖いですね。