岐阜県は土岐市の製陶所、晋山窯ヤマツさまとの共同開発による角鉢。

シンプルな角鉢と思いきや、さまざまな遊び心に溢れております。

昨今の陶芸全体の盛り上がりから、良質な土が確保しにくくなっていることを以前より憂いていました。

そんなとき晋山窯ヤマツさまと出会い、同社がもともとの陶器や磁器を粉砕したリサイクル土を用いた製品を作っていることを知り、その素材で植木鉢を作ってみたいと思いました。

デザインはTOKYで行い、図面を起こした後に晋山窯ヤマツさまで原型を制作、本番制作は鋳込み型を使用し制作します。

質感と色味的に、テラコッタの様に見えますが、低温焼成ではなく1250度の高温で焼成していますので焼きしまっています。

ただ、無釉なこと、生地の厚さ、穴の大きさ・数などから通気性・排水性はかなり高いと思います。

過度な装飾をなくした焼締めのソリッドなデザインと、鉢内部の素地のザラつきから感じられる温かみ、両方が同居するように設計しました。

完全な立方体にすると視覚的にとても重量感が出てしまうので、上方から下方に向けてほんの少しシェイプさせ、スマートな印象にしています。

TOKYオリジナルポットの底穴で多く使われるT型。今回は鉢が軽やかに見えるような浮遊感を演出する約5mmの足の形状にT型を採用しました。

排水性・通気性を確保しつつ、高台裏センターにはTOKYロゴを刻印。

正方形ですので、栽培場や窓辺に並べて見て触って楽しめる角鉢となっています。

緋色、ピンホール状の凹み、歪みなどのある製品ですので気にされる方はご注意ください。