プラントラバーのみなさま、こんにちは。
たまには肩の力を抜いた記事を書こうかと。
植物はとにかく楽しく、時には悲しいこともありますが(原因不明で昇天してしまったりするので)
「今年は何が楽しかったかなぁ」と思い返し5つ挙げてみることにしました。(下記は順位ではありません)
1.アロエ・ポリフィラ(Aloe polyphylla)
大株になるとロゼットを螺旋状に巻くことで有名なアロエです(通称:スパイラル・アロエ)
ネットなどで現地球を検索すると涎もののルックスで思わず「誰か輸入して!!」と叫びたくなります。
実際は(CITES)の附属書第Ⅰ類に登録されていて持ち出しが厳重に管理されているので無理ですが…泣
国内でも大株はなかなかお目にかかれませんしロゼットが旋回しているものは更に珍しそうです。
とにかく丈夫で管理がラクチンです。真夏の蒸れには弱いので涼しくて風通しのよい日当たりいいところさえ確保できれば。。。
TOKYでは真冬も野外に出しっぱなしで雪も雨もジャンジャンあてますがそのたびに葉が成長点を守ろうとグングン上がり本当に見ていてあきません。
自生地を調べてみるとかなり標高の高い降雨量の多いところですのでそれを想像して管理すると楽しいです。
子株を出すタイプも希に存在しますが基本は実生に頼ることになると思いますがいつかはロゼットの旋回した大株を手にしてみたいモノです。
2.ユーフォルビア・アブデルクリ(Euphorbia abdelkuri)
ソコトラ島の近くに浮かぶアブドゥルクーリー島に自生する怪しい植物。
一見ゴツゴツした白い棒ですがマジマジと見るとその白いワックス質の樹皮や成長期に伸びてできる節など、見所満載です。
私たちのような変態は並べて見ていてもテンションアゲアゲですが最も上がるのが成長期です。
成長点がピシっとひび割れるように裂けそこからジュワジュワと得たいのしれない液体?が染みだし黄土色の部分が盛り上がってきます。
そしてドンドンその部分が伸びていき止まる、、意味不明な植物ですがこればかりは手にしていただかないと素晴らしさを上手く伝えられません。
ある程度の大きさになると上部で分岐して花も咲くらしいので長く保有しておきたくなります。
まぁでも、、、樹液の毒も強いみたいですしあまり人にお勧めできないかもです。
それよりは可愛いパキポディウムを持っていた方が人生が明るくなりそうです。笑
3.ユーフォルビア・エクロニー(Euphorbia ecklonii)
またしてもユーフォルビアです。
鬼笑いの和名で人気のユーフォルビア・エクロニーですね。
この種は分頭した数と葉性でかなり楽しませてくれました。
観察した結果、分頭数が多いほど葉性的に細葉が多い様に思います。
逆にシングルヘッドの個体は葉がまるで青梗菜のように幅広で大きいものが多いような…
あとは開花期の臭い…ハエなども寄ってくる生ゴミのような臭いですが「あぁ、こいつも生きているんだな」と生命を実感させてくれました。
丸い塊根も可愛いです。
4.エケベリア・メキシカンジャイアント(Echeveria colorata ‘Mexican Giant’)
とにかく吸い込まれそうな白い肌が最高に美しい、そして大株はその迫力に圧倒されます。
メキシカンジャイアントに限らずTOKYが東日本橋に来てからというものエケベリアたちが俄然元気です。
迫力という意味で言えばメキシカンジャイアントが最高峰だと思いますがどのエケベリアも素直で楽しいです。
コーデックスなどと違って肥料の使い方で葉色や葉数などを調整できるのもこの属の楽しさなのかなと思いました。
子株を出してギュウギュウになっている姿も健気でいいなぁと思います。
出産のお陰で葉はボロボロになりましたがこの秋から元気を取り戻し葉数を増やしながら葉も上向きになってきました。
TOKYではエケベリアのイメージが薄いですがしっかりと仕立てるとかなりクールな植物ということをお伝えできればなと思っています。
あとは単純に美しいモノを見る、ということは生きていく中でとても大事なんだなと痛感させてくれました。
ごついコーデックスや多肉の合間にエケベリアを触ると本当に癒されます。。
5.パキポディウム・バロニー(Pachypodium baronii)
赤花のパキポディウムとして高い人気を誇るパキポディウム・バロニー。
もともとは同じ種である(と言うかバロニーの変種・亜種だが)パキポディウムウィンゾリーのトックリ型の株からアームが出る姿が好きでした(今でも好きですが)
バロニーは「格好いいけど太い棒だしな…」みたいな印象が強かったのですがタイのナーセリーで見たバロニーの大株を見てぶっ飛びました。
現地球ということもありましたが褐色の肌に異様なほど膨らんだ株、相当クールでした…
その印象も含めしっかりと生育すればいつかあんな姿に…と夢を膨らませてくれたこともきっかけです。
あとは趣味家様や生産者さまからも聞いていましたが水を好む傾向が顕著で水やりをしてもいつもバロニーの土が1番早く乾いたものです。
そして水を吸い上げた株がパンパンに膨らむ様も”わかりやすさ”という点で楽しかったです(今は休眠してるので)
そして肉厚でウェーブのかかった葉とビロードのような質感の極美な赤花…最高としか言いようがありません。
あとは自家受粉もし易いので実生との楽しみも密接でいいですね。
という訳で2016年私たちTOKYを最も楽しませてくれた植物たち5選でした。
どんな属のどんな種でも楽しみ方は千差万別で楽しいです。
偏ったセレクトが多くて私たちもいつも悩んでいますが目標は分かりやすいコーデックスなどに絞るのではなく様々な植物に光を当ててお客様と一緒に楽しんでいければと思っています。