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TOKY Staff Blog
ショップからのお知らせや日々の新たな発見などの情報を発信します

TOKY Original Pot

一見古めかしくも新しい鉢、新シリーズRAKUのリリース。

2019.11.02

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CACTUSGREENさん(以下CG)と共同開発を進めていた古めかしくも新しい鉢、RAKUシリーズが完成しました。

 

 

この鉢はCGさんの園芸のプロフェッショナルな視点から「こういう鉢をみんな求めてるから作ってよ」というお声がけから開発がスタートしました。

 

 

低下度で焼成された楽鉢と呼ばれる軽く古典的な鉢。

 

 

古くから趣味家の方々はその楽鉢を愛用されてきたのですが、焼き締まっていないのでとてももろく破損してしまうことが多くありました。

 

 

そして現在は作っているメーカーさんも減ってきており、手に入れることがなかなかできず、趣味家の方には悩みのタネとなっています。

 

 

そういうバックボーンを持った古典的に愛される鉢を現代の感覚やテクノロジーでアップデートする。

 

 

この鉢はそういう意味合いを持ってプロジェクトを立ち上げました。

 

 

 

 

 

 

鉢のデザインはCGさんにアドバイスを頂きつつTOKYで行い、3Dプリンタで原型を用意しました。

 

 

制作はSolomonシリーズの鉢を作る大原さんがロクロを学んだ常滑に居を構える南山陶苑さん。

 

 

造形的に通常使われるような動力型をチョイスすることができず、鋳込み型を用いて何ヶ月もトライアンドエラーを繰り返しようやく完成にいたりました。

 

 

ちなみにこの型を作るにあたって型屋さんが革新的な成形方法を確立したそうでその技術を特許申請しようかという話も進んでいるそうです。

 

 

黒の釉薬も何十種類もテストピースを用意しその中で最も安定的に発色し普遍的な、いわゆる「普通の黒」というところに行き着きました。

 

 

矛盾する考え方ですがなるべくデザインしたということを感じさせないようにデザインをしました。

 

 

大きさもTOKYでリリースするにはかなり大きめの5号のボウルと3.5号のロングポットとなります。

 

 

見た目よりも軽く (従来の楽鉢よりは流石に思いですが)、 温室などで少しだけ鉢で見た目を整えたい趣味家の方におすすめです。

 

 

 

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5号のボウルポット、飾り気がなくリム部分が持ちやすいデザイン。

 

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3.5号のロングポット、かなり長めの作りです。

 

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唯一特徴的な高台裏、足部分に底穴と水切りがついています。

 

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3Dプリンターでプリントした樹脂による原型。これを原型に用いて型屋さんでケース型を作りました。

 

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さり気なくですが一応落款が入っています。

 

 

販売は11月初旬を予定しています。

 

 

この鉢に関してのさらなる詳細は11/11に発売されますTOKYの書籍「The Book of TOKY」にも書かれていますのでご興味ある方は是非読んでみてください。

 

 

5号ボウル:約Φ21 x H14.5 (cm) 4,900円+税
3.5号シリンダー:約Φ16 x H20 (cm) 3,900円+税

 

 

 

 

 

 

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穴窯によるRyumyakuシリーズ

2018.04.03

陶器を焼く際の窯には。

電気窯、ガス窯、灯油窯、登り窯、様々な窯がありますが穴窯は最も古い原始的な窯です。

 

 

Ryumyakuシリーズを作る池田麻人さんの作陶される地、愛媛県は龍泉窯にある穴窯で焼かれる特別な陶器たち。

 

 

効率よく綺麗に焼き上げることが出来ない、そういった普段デメリットとされそうな部分が穴窯最大の魅力です。

 

 

5〜6日間付きっきりで薪をくべる、炎と、そして自分との戦いの為にその労力は通常の窯とは訳が違います。

 

 

一定でない酸素量、炎が抜けることにより発色する艶の無い鈍い輝き。

 

 

一度穴窯に火を入れてしまったらもう人間は窯に薪を入れ続けることしかできないそうです。

 

 

池田さんは言いました「自分が、と言うよりは穴窯と炎が作ってくれる」。

 

 

一年近く待ってようやくTOKYの為に作られた穴窯作品をお披露目できそうです。

 

 

 

 

DSC00318_A吹き出すバックドラフトとの戦いでもある。

 

 

DSC00424薪を焚くペースは後半になるにつれペースが早くなり、最終的には5分に一度薪を焚べ続ける荒行となる。

 

 

 

 

こうして作り上げられた穴窯作品たち。

 

 

まずは焼締た後に穴窯で焼成された炎の色がこびりついた様なFlame Gray。

 

 

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焼締のホワイトをベースに吹き上げられた松の木の灰が表面にかかり独特の風合いに。

 

 

炎が直接当たったオレンジ色の部分は緋色(ひいろ)とも呼ばれこの陶器の景色を完成させています。

 

 

 

 

そして…電気窯で焼成された鈞窯を贅沢にも穴窯で焼いたなんとも言えないWood fired red。

 

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こちらは以前販売された鈞窯を穴窯で焼くことで実現され形容し難い色、そして景色となっています。

 

 

吹き上がる灰と炎が龍の鱗のような表面を駆け上がったことさえ感じることができます。

 

 

 

 

なかなかお目にかかれないであろう穴窯によるハンドメイドポット。

 

 

黒や白の鉢と違って植物との組み合わせも技術を要求されると思いますが使いこなせた時の喜びはひとしおです。

 

 

DSC_0219Flame gray × ユーフォルビア・デセプタ (Euphorbia decepta)

 

 

DSC_0216Wood fired red × ユーフォルビア・ガムケンシス (Euphorbia gamkensis)

 

 

今後作られるかどうかは未定です、とても希少なハンドメイドポットとなりますので皆様是非チェックしてみてください。

 

 

まずは2018年4月6日にTOKY東日本橋実店舗にてお披露目の予定です。

 

 

 

 

 

 

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Jasugan for Industrial

2019.08.09

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陶芸家 望月薫 a.k.a ILL CERAMICSさんによるハンドメイドポット、Jasuganシリーズの量産品。

 

 

それがJasugan for Industrialシリーズです。

 

 

このJasuganシリーズは発売当初から大変な人気を博しており、手作りの作品ということもあり多くのお客様にお届けすることが叶わずTOKYの課題となっていました。

 

 

そんな折に普段から交友が多かった望月さんに相談したところ「形状的にもインダストリアルな雰囲気があるし型で作るのはアリなんじゃないかな」というお話をいただき製作を開始しました。

 

 

型で作るということは安定した形状のものを大量に製作可能なので望月さんには鉢と受皿の高台裏の刻印なども非常に凝った原型を作成して頂きました。

 

 

その原型を元に、Unionシリーズの製作を行ってくれている岐阜県は多治見市の美新窯の安藤さんに依頼をしました。

 

 

しかしその精密な原型に伴い、その形状を忠実に表現しようとしたため鋳込み型に大きな難関がありました。

 

 

特に高台裏の刻印やサインを表現するために通常の鋳込み型を使用することは出来ず、結果他の業界の技術なども転用しつつ、多くのパーツで構成された鋳込み型が完成しました。

 

 

形状をクリアしたあとの渋みのある金属質な釉薬の開発にも多くの時間を要しました。

 

 

通常のテーブルウェアなどでは使われない釉薬だったので手探りで何度も焼成テストを行い現在の釉薬の完成となりました。

 

 

そうして構想から約1年と半年をかけてようやく完成となったJasugan for Industrialシリーズ。

 

 

釉薬の再現的に大きなガス釜を使うことが出来ず、小さめの電気釜で焼成しているため当初の想定よりも大量に作るという目標にはかないませんでした。

 

 

ただ、それでも一ヶ月に数十個は製作の見込みが立っていますので今後は色々な方の手に行き渡りつつ、需要と供給のバランスも安定してくるのではないかなと考えております。

 

 

現在美新窯の安藤さんが猛暑の中懸命に製作してくれています。

 

 

初回は実店舗での販売でしたが、次回はオンラインショップでの販売を予定しております。

もうしばらくおまちくださいませ。

 

 

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今までと少し違う考え方をしてみた鉢

2017.11.06

TOKYをご存知の方であれば周知の事実ですが、TOKYでは陶芸家さんにオーダーして様々なハンドメイドポットを制作してもらっています。

 

 

それぞれとても個性的でロクロ、施釉、他のどこにも無いようなものをたくさん作っています。

 

 

ある日尊敬する植物の先輩とご飯を食べていた時に「もっと僕らでも使えるような普通の鉢も作ってよ」と言われ…。

 

 

せっかちなTOKYは早速次の日に図面を描きInnocenceシリーズを作る作山窯さんに送り制作を開始しました。

 

 

IMG_6677一番左はマットブラウンなのですが黒と差が殆ど無いため制作は行わない予定です。

 

 

 

紆余曲折は少しありましたが早速サンプルと言う名のほぼ完全版が届きました。

 

 

 

IMG_6743シンプルな形だけれど細すぎず太すぎずでどんな植物でも植えやすそうなフォルム。

 

 

 

IMG_6741蘭鉢を現代的に解釈しつつ鉢を移動したりする際に自然に持ちやすい口づくり。

 

 

 

IMG_6775さり気なく美しい釉薬。画像の黒は窯変(窯の内部変化)による様ざなま表情を見せる黒。

 

 

初回は黒、モスグリーン、黒土焼き締めの3タイプでリリースを予定しています。

 

特に黒土焼き締めに関しては栽培家さんや園芸家さんのハウスにあっても違和感なく収まる使い勝手と自然さになると考えています。

 

陶芸家さんがロクロを引いて作るのではなく鋳型を使って生産しますので個々の誤差は釉薬以外極力少なくなると思われます。

 

今まで私達が作っていた鉢は性能よりもルックスを重視した鉢が多いので、TOKYに興味が沸かなかった方々にもアプローチできると思っています。

 

 

 

 

 

 

 

 

余談ですがとある陶器の産地(植木鉢がとても盛んな地域)に赴いて廃業する窯元さまを幾つか目の当たりにし「このままではいけないな」と感じました。

 

これはどこかの窯元さんや自身のことを憂うというよりも、もっと多くの園芸ファンたちにアプローチしないと一過性のブームで終わり結果何も変わらないかもという危機感です。

 

特に量産品の素焼き(※)鉢などは「1,000円くらいだろ」というイメージが先行しているためにその価格帯で作り続けて立ち行かなくなる…。

 

価格帯は安価な方が流通する数は多いとは思いますが、当然のことながら使用する土や釉薬、作業工程によって価格は変わってきます。
クオリティを保ちつつ、私達や窯元さんがじっくりと長くこの仕事を続けていけるためにもある程度の価格帯にさせていただくと思います(おそらく3,000円前後)。

 

と言っても直径12cm、高さ13cmほどありますので通常TOKYで扱う同サイズの鉢よりも価格はかなりリーズナブルかと思います。

 

2018年初旬に販売を開始しますのでご興味がある方は是非手に取っていただけばと思います。

 

 

※700〜800度の低温で焼いたものを素焼きと言います。
焼き締めは1200度以上で焼くため強度が増し見た目にも硬質感が出ます。

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新しいハンドメイドポットのご紹介

2017.08.31

色々とハンドメイドポットの新作が入荷しましたのでご紹介します。

 

 

詳細な作家さんの情報や作陶方法などはWebストアの販売の際にしっかりとご説明させていただきますね。

 

 

 

 

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Briliant Series

[陶芸家] 塩田亜希子さん

 

 

京都で学び、常滑で腕を磨き、そして元建築・インテリア業界で働いていたという珍しい経歴を持つ陶芸家さんです。

 

今回はラスター釉✕緑青、緑青✕ラスター釉というウラとオモテをひっくり返したようなハンドメイドポットを作陶していただきました。

 

全体に入るドレープに絡みつくようなラスター釉の迫力、そして内側に流れ込む部分など見どころも満載です。

 

ラスター釉が美しく流れる様とうっすらと色づく緑青(ろくしょう)は息を飲む美しさです。

 

 

 

 

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Quartz Series

[陶芸家] 小岩井 潔さん

 

 

油滴天目という鎌倉時代から伝わる歴史ある釉薬を用いたハンドメイドポット。

 

黒い地に銀色の斑紋が浮かび上がるその美しさが油の滴(しずく)のように見えることから「油滴天目」と名づけられたそうです。

 

天目の中で最高とされるのが有名な曜変天目ですがこれに継ぐものとして挙げられているのが油滴天目です。

 

高級感溢れるハオルチア、斑入りの葉物多肉やサボテンなどの植物が似合うような鉢を目指しました。

 

四角形の陶板までも極上の美しさです。

 

 

 

 

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Progress Series

[陶芸家] 氏家 昂大さん

 

 

以前からTOKYで取り扱わせて頂いているProgressシリーズの新作です。

 

白く割れたように見えるものは黒いカイラギの上から非常に高価な本銀の釉薬をコーティングしたものです。

 

アルマジロのようなその外観は酸化することにより更にその迫力が増していきます。

 

そして青い釉薬が垂れたものは呉須(ゴス)と呼ばれる古来から使われているもので主にテーブルウェアなどで使われます。

 

氏家さんの持ち味の原土の力感溢れる陶芸と呉須が融合し新たな価値観を魅せてくれます。

 

 

 

 

明日9/1(金)より東日本橋実店舗にて販売開始しその後Webショップにて販売いたします。

 

是非手に取ってみてください。

 

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