TOKYをご存知の方であれば周知の事実ですが、TOKYでは陶芸家さんにオーダーして様々なハンドメイドポットを制作してもらっています。
それぞれとても個性的でロクロ、施釉、他のどこにも無いようなものをたくさん作っています。
ある日尊敬する植物の先輩とご飯を食べていた時に「もっと僕らでも使えるような普通の鉢も作ってよ」と言われ…。
せっかちなTOKYは早速次の日に図面を描きInnocenceシリーズを作る作山窯さんに送り制作を開始しました。
一番左はマットブラウンなのですが黒と差が殆ど無いため制作は行わない予定です。
紆余曲折は少しありましたが早速サンプルと言う名のほぼ完全版が届きました。
シンプルな形だけれど細すぎず太すぎずでどんな植物でも植えやすそうなフォルム。
蘭鉢を現代的に解釈しつつ鉢を移動したりする際に自然に持ちやすい口づくり。
さり気なく美しい釉薬。画像の黒は窯変(窯の内部変化)による様ざなま表情を見せる黒。
初回は黒、モスグリーン、黒土焼き締めの3タイプでリリースを予定しています。
特に黒土焼き締めに関しては栽培家さんや園芸家さんのハウスにあっても違和感なく収まる使い勝手と自然さになると考えています。
陶芸家さんがロクロを引いて作るのではなく鋳型を使って生産しますので個々の誤差は釉薬以外極力少なくなると思われます。
今まで私達が作っていた鉢は性能よりもルックスを重視した鉢が多いので、TOKYに興味が沸かなかった方々にもアプローチできると思っています。
余談ですがとある陶器の産地(植木鉢がとても盛んな地域)に赴いて廃業する窯元さまを幾つか目の当たりにし「このままではいけないな」と感じました。
これはどこかの窯元さんや自身のことを憂うというよりも、もっと多くの園芸ファンたちにアプローチしないと一過性のブームで終わり結果何も変わらないかもという危機感です。
特に量産品の素焼き(※)鉢などは「1,000円くらいだろ」というイメージが先行しているためにその価格帯で作り続けて立ち行かなくなる…。
価格帯は安価な方が流通する数は多いとは思いますが、当然のことながら使用する土や釉薬、作業工程によって価格は変わってきます。
クオリティを保ちつつ、私達や窯元さんがじっくりと長くこの仕事を続けていけるためにもある程度の価格帯にさせていただくと思います(おそらく3,000円前後)。
と言っても直径12cm、高さ13cmほどありますので通常TOKYで扱う同サイズの鉢よりも価格はかなりリーズナブルかと思います。
2018年初旬に販売を開始しますのでご興味がある方は是非手に取っていただけばと思います。
※700〜800度の低温で焼いたものを素焼きと言います。
焼き締めは1200度以上で焼くため強度が増し見た目にも硬質感が出ます。