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TOKY Staff Blog
ショップからのお知らせや日々の新たな発見などの情報を発信します

植木鉢=駄物?

2018.02.17

04Photograph By Thinkstock
新しく出会った陶芸家さんに鉢の制作ご依頼することが多くあります。

 

 

陶芸の世界では穴の空いた陶器は「駄物」と呼ばれることがあります。

 

 

「駄鉢(だばち)」などと呼ばれることもあり、陶器の中でも位的に底辺なのはお察しの通りです 涙 (正式には駄温室鉢らしいです)。

 

 

なのでTOKYで鉢を作ってくれている陶芸家さんはそういう考え方を特にされない方か、陶芸と園芸の盛り上がりを感じてくれている方。

 

 

もしくは「駄物?その考え方をぶち壊してやるぜ!!」と気骨溢れるある方もいらっしゃいます。

 

 

 

 

 

 

 

 

昨今は植木鉢も社会的な地位を少しづつ高めているようで凝ったハンドメイドやセレクトの鉢を取り扱うお店が増えたという印象があります。

 

 

それでもまだ、陶芸家さまに問い合わせると「鉢はやりません」という方もいらっしゃいます。

 

 

それもしょうがないかな〜と思いつつ、私たちは現在の園芸と陶芸が交差するその道がとても広く深くなりつつあることを感じます。

 

 

私たちが日々繰り返していることは一足飛びに何かを成し得る、などと言う世界とはかけ離れています。

 

 

なので粛々坦々と日々の業務をこなしつつ自分たちが考える未来の為の開発や仕入れが重要と考えています。

 

 

02

 

 

話は少し変わりますが作家もの、と呼ばれる作家さんの個展などでは様々な個体差を持った陶器が一同に介します。

 

 

TOKYの実店舗にお越しいただければその縮小版のような雰囲気を味わえますがネット通販だと少し話が変わります。

 

 

ネットのお写真で気に入った風合いのものがあればそれが欲しいのは心情ですし印象と違ったものが送られてこれば肩透かしを食らったような気持ちになるかもしれません。

 

 

「この鉢はツヤがあるものよりもマットなものの方が人気があるな」と思えば作家さんにそのように伝えることもあります。

 

 

ただ、陶芸とは「こうしてくれ」と伝えて簡単にそのように出来るという世界で無いことは私たちも含め知っていおいたほうが良いかと思っています。

 

 

気候、温度、釉薬の成分の微妙な異なり、土の微妙な変化、そして窯で焼成する際の位置。

 

 

そういう本当にわずかな違いで出来上がりに大きな差ができることもあります。

 

 

とある陶芸家さんに言われたことが印象に残りました。

 

 

作家物が良いと言うのに差を良しとはしないのですね。

 

 

おそらく実物が幾つも展示販売されているお店であればむしろ差を多様性と解釈されるのかもしれません。

 

 

私たちは一点ものと言う名の、同じシリーズのハンドメイドポットを沢山作ってもらいネットで販売するため少し話が異なってきます。

 

 

本来は全ての商品を克明に撮影し個別にアップできれば購入されるお客様とのギャップはもう少し埋められると思います。

 

 

ただ、数十個と納品されてくる鉢を全て撮影、画像作成、ページ作成を行っていたらお店を運営していくことは困難です。

 

 

 

 

 

 

 

 

前途した園芸と陶芸の交わりは広く深くなりつつありますがまだまだ未成熟な文化圏だと考えています。

 

 

私たちTOKYが「こう言っているからこうだ!!」と言う決めつけではなく「園芸と陶芸の間にはまだ溝があってそのギャップを皆で埋めていきませんか?」と言う提案です。

 

 

それは植木鉢を駄物と定義されている陶芸家さんに対しても同じかなと言う印象です。

 

 

販売側の私たちが全て道筋を決めてその通りに行けることは無いですし、またそうするべきでもないと思います。

 

 

 

 

余談ですが通常鉢が入荷すると検品を行った後エアマットを巻き品番をつけた後棚に格納し管理を行います。

 

01

 

 

理由としてTOKYはWebストアが主ですので日本全国からの発注に対しどのスタッフでも均一に梱包出荷できるようオペレーション上そのような管理を行っています。

 

 

そういうこともあり個別の商品の個体差に対してお写真を求められるお客様にご対応が出来かねる理由とさせていただいております。

 

 

本当は面積の大きなショップで月の大半の日に営業していれば、より多くの方に好きな商品を手にとって見ていただけると思いますがそれは本当にまだまだ先になりそうです。

 

 

実生苗は電気羊の夢を見る。

2018.02.02

typo

 

 

実生苗は電気羊の夢を見る。

 

 

 

タイトルに深い意味はありません。

 

 

 

TOKYには東京サイズの陶器鉢がたくさんあるためか(2〜4号)小さい苗の植え替え用に鉢を買われる方が多くいらっしゃいます。

 

その中でたまに気になることを聞かれることがあるので少しTOKYの考えを書いておきます。

 

 

 

「この植物に合う鉢ってありますか?」

「この鉢に植えたのですがあまり大きくならないのですが何故ですか?」

 

 

 

そのようなご質問を受け画像で苗を見せていただくとこんな感じが多いです。

 

 

ち、小さい…。

 

 

 

 

見た感じ播種されてから1〜2年ほどの幼苗のように見受けられることが多くあります。

 

 

幼苗と言っても選抜された大きなものは鑑賞に耐えうることもありますが基本そういう株を手に入れた場合は…。

 

 

 

 

鑑賞価値が高まるような大きさ、形になるまでプラ鉢でしっかりと生育する!!

 

 

 

 

小さな頃は成株よりも弱いですし最も適した環境にしてあげて、そしてもっと言えば幼苗を観賞価値が高まるまで持っていくのはそれなりの経験を積まないと難しいと思います。

 

 

幼く健気に生きている植物は大人になるまでは鑑賞よりも観察に努めていただきしっかりと健康に大きくしてあげつつせめて3~4年目になるまでは陶器の鉢に植えて鑑賞はグッと抑えて頂いたほうがいいかなと思います。

 

02お客様に見せていただいた幼苗を仕立てたものの内部予想図。パキポディウムに限りませんが土が多めで通気性が悪い陶器鉢を選ぶと生育に支障が出ることが多いです。

 

 

ちなみに「幼苗を買うな」と言っているわけではありません「幼苗は生育する楽しさを味わうべき」というお話です。

 

 

ただ、育てたことがない植物や得意分野と違う植物に挑戦することは園芸を楽しむと言う意味で言えばとても良いことだと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

余談ですが例えばとある植物の人気が高まると山取りで輸入されてくる植物のサイズは少しづつ小さくなっていくそうです。

 

 

人気があるサイズ(数年前だと5号くらい?)から消費されていくので基本取り尽くして小さいものを取り出すそうな。

 

 

逆に人気のサイズ感よりも大きなものにならないのは値段も上がるので一度定着した価格のイメージが先行して売れにくくなるそうな。いろんな意味でダウンサイジングしていくしか無いわけですね。

 

 

現在はワンハンドできるコンパクトなサイズの植物が人気なので幼苗が一般に多く流通しているのはその影響かもしれませんね(ワンハンドサイズが手に入らない為ストックの幼苗を出さざるを得ない)。

 

 

貴重なこと、生命であることに変わりは無いので、まずはファッション・インテリア感覚は置いておいてしっかりと生育していただければと思います。