実生苗は電気羊の夢を見る。
タイトルに深い意味はありません。
TOKYには東京サイズの陶器鉢がたくさんあるためか(2〜4号)小さい苗の植え替え用に鉢を買われる方が多くいらっしゃいます。
その中でたまに気になることを聞かれることがあるので少しTOKYの考えを書いておきます。
「この植物に合う鉢ってありますか?」
「この鉢に植えたのですがあまり大きくならないのですが何故ですか?」
そのようなご質問を受け画像で苗を見せていただくとこんな感じが多いです。
見た感じ播種されてから1〜2年ほどの幼苗のように見受けられることが多くあります。
幼苗と言っても選抜された大きなものは鑑賞に耐えうることもありますが基本そういう株を手に入れた場合は…。
鑑賞価値が高まるような大きさ、形になるまでプラ鉢でしっかりと生育する!!
小さな頃は成株よりも弱いですし最も適した環境にしてあげて、そしてもっと言えば幼苗を観賞価値が高まるまで持っていくのはそれなりの経験を積まないと難しいと思います。
幼く健気に生きている植物は大人になるまでは鑑賞よりも観察に努めていただきしっかりと健康に大きくしてあげつつせめて3~4年目になるまでは陶器の鉢に植えて鑑賞はグッと抑えて頂いたほうがいいかなと思います。
お客様に見せていただいた幼苗を仕立てたものの内部予想図。パキポディウムに限りませんが土が多めで通気性が悪い陶器鉢を選ぶと生育に支障が出ることが多いです。
ちなみに「幼苗を買うな」と言っているわけではありません「幼苗は生育する楽しさを味わうべき」というお話です。
ただ、育てたことがない植物や得意分野と違う植物に挑戦することは園芸を楽しむと言う意味で言えばとても良いことだと思います。
余談ですが例えばとある植物の人気が高まると山取りで輸入されてくる植物のサイズは少しづつ小さくなっていくそうです。
人気があるサイズ(数年前だと5号くらい?)から消費されていくので基本取り尽くして小さいものを取り出すそうな。
逆に人気のサイズ感よりも大きなものにならないのは値段も上がるので一度定着した価格のイメージが先行して売れにくくなるそうな。いろんな意味でダウンサイジングしていくしか無いわけですね。
現在はワンハンドできるコンパクトなサイズの植物が人気なので幼苗が一般に多く流通しているのはその影響かもしれませんね(ワンハンドサイズが手に入らない為ストックの幼苗を出さざるを得ない)。
貴重なこと、生命であることに変わりは無いので、まずはファッション・インテリア感覚は置いておいてしっかりと生育していただければと思います。