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TOKY Staff Blog
ショップからのお知らせや日々の新たな発見などの情報を発信します

陶芸家

穴窯によるRyumyakuシリーズ

2018.04.03

陶器を焼く際の窯には。

電気窯、ガス窯、灯油窯、登り窯、様々な窯がありますが穴窯は最も古い原始的な窯です。

 

 

Ryumyakuシリーズを作る池田麻人さんの作陶される地、愛媛県は龍泉窯にある穴窯で焼かれる特別な陶器たち。

 

 

効率よく綺麗に焼き上げることが出来ない、そういった普段デメリットとされそうな部分が穴窯最大の魅力です。

 

 

5〜6日間付きっきりで薪をくべる、炎と、そして自分との戦いの為にその労力は通常の窯とは訳が違います。

 

 

一定でない酸素量、炎が抜けることにより発色する艶の無い鈍い輝き。

 

 

一度穴窯に火を入れてしまったらもう人間は窯に薪を入れ続けることしかできないそうです。

 

 

池田さんは言いました「自分が、と言うよりは穴窯と炎が作ってくれる」。

 

 

一年近く待ってようやくTOKYの為に作られた穴窯作品をお披露目できそうです。

 

 

 

 

DSC00318_A吹き出すバックドラフトとの戦いでもある。

 

 

DSC00424薪を焚くペースは後半になるにつれペースが早くなり、最終的には5分に一度薪を焚べ続ける荒行となる。

 

 

 

 

こうして作り上げられた穴窯作品たち。

 

 

まずは焼締た後に穴窯で焼成された炎の色がこびりついた様なFlame Gray。

 

 

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焼締のホワイトをベースに吹き上げられた松の木の灰が表面にかかり独特の風合いに。

 

 

炎が直接当たったオレンジ色の部分は緋色(ひいろ)とも呼ばれこの陶器の景色を完成させています。

 

 

 

 

そして…電気窯で焼成された鈞窯を贅沢にも穴窯で焼いたなんとも言えないWood fired red。

 

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こちらは以前販売された鈞窯を穴窯で焼くことで実現され形容し難い色、そして景色となっています。

 

 

吹き上がる灰と炎が龍の鱗のような表面を駆け上がったことさえ感じることができます。

 

 

 

 

なかなかお目にかかれないであろう穴窯によるハンドメイドポット。

 

 

黒や白の鉢と違って植物との組み合わせも技術を要求されると思いますが使いこなせた時の喜びはひとしおです。

 

 

DSC_0219Flame gray × ユーフォルビア・デセプタ (Euphorbia decepta)

 

 

DSC_0216Wood fired red × ユーフォルビア・ガムケンシス (Euphorbia gamkensis)

 

 

今後作られるかどうかは未定です、とても希少なハンドメイドポットとなりますので皆様是非チェックしてみてください。

 

 

まずは2018年4月6日にTOKY東日本橋実店舗にてお披露目の予定です。

 

 

 

 

 

 

君はDOROROU Potを知っているか。

2018.03.10

新しくTOKYでセレクトする悪魔的な鉢のご紹介。

 

 

DOROROU Pot

 

 

陶芸家林田ドロロウが作る魑魅魍魎で古今東西な鉢たち。

 

 

その世界観は漫画、アニメ、音楽、様々な文化からインスパイアされドロロウの脳内でミキサーにかけられて見たことの無いエキスが抽出され陶芸にアウトプットされています。

 

 

百聞は一見にしかず、彼の作る鉢の一部ですが是非見てください。

 

 

dororou_03牛鬼泥多脚鉢(ぎゅうきたきゃくばち)×布かぶり(ぬのかぶり)

 

 

dororou_02根鉢 白濁(ねばち はくだく)×布かぶり(ぬのかぶり)

 

 

dororou_04布かぶり(ぬのかぶり)

 

 

どうでしょう、このような造形の陶器を見たことがあるでしょうか?私たちはありませんでした。

 

 

ネット上で彼の作る陶器をで見つけた時に禍々しいオーラに圧倒されつつ連絡を取りました。

 

 

一度作品を見せていただくために彼の自宅に呼ばれた時にいきなりハートを鷲掴みにされました。

 

 

「お茶割り飲みます?」、、、そう、いきなりお酒を出してきたのだ。

 

 

その時思いました、「あ、この人わかってるな」と。

 

 

 

 

 

 

 

 

彼は制作する植木鉢に関して販売用ではなく自分で使う用としてしか制作していませんでした。

 

 

ごく偶に展示などの機会の際に強い要望があった場合に販売したことがあるそうですが商業的なものづくりをしていなかった為少しだけTOKYの想いとすり合わせる必要がありました。

 

 

自分の為に、好きなように作られているためとてつもない時間と手間を惜しみなくかける。

 

 

値段を付けることにも躊躇いを感じていましたが自身の制作する陶器を世の中の人達に見てもらう機会を彼も探していたようでしたので今回はいい出会いとなりました。

 

 

近日中にWebストアで販売開始します。
年に何度か販売できればいいなと思っています。

 

 

TOKYが通常取り扱う作家さまの鉢とはひと味もふた味も違う悪魔的な鉢の数々。

 

 

サイズ感はどれも2.5合鉢くらいですがその圧倒的な作り込みの為に価格は相応となっています。

 

 

超絶的な一点物、鉢として使ってもいいですしアートピースとしてもお使いください。

 

 

dororou_00林田ドロロウ (image)

 

 

Gravityシリーズをバージョンアップさせてみました。

2017.08.21

 

先日TOKYの定番ハンドメイドポットGravityシリーズを先日バージョンアップしリリースいたしました。

 

かなり好評のようで全て完売いたしました。ありがとうございます。

 

 

DSC_0449ベーシックタイプも丸みを帯びてどこか大人っぽく落ち着いた雰囲気に…?。

 

 

DSC_0467割れたテクスチャが実は大きく変わりました。

 

 

DSC_0469高台裏は電動ろくろを使いカチっとした作りになりました。

 

 

作家さん泣かせのTOKYとして有名ですが(?)今回も陶芸家 中村拓哉さんにはかなり無理を言いました。

 

ちなみに全作家さんでも中村さんに対するオーダーが一番多くめんどくさいことを言うのはここだけの話です。
(最も付き合いが長く東京在住で工房にも良く行くので…^^;)

 

もともと安定したクオリティを長年をかけて作り上げたのでバージョンアップのリスクは当然ありました。

 

まずはサンプル作成…と言っても一発で決まることは少なく何度もサンプル作成をしてもらうことが多く時間もかかります。

 

それでも変化させたかった理由はいくつかありますが一番大きいのは“武骨すぎる”ところでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

TOKYが立ち上がった当初は男臭いコーデックスのラインナップが多くそれらに似合うように…と思っていました。

 

ただ近年はその他の植物の取扱も多く自分自身も上手く組み合わせられない、というジレンマを感じていました。

 

と言うわけで!!テクスチャやフォルムを再考察し見直しました。

 

ナイフでカットした亀裂は無くし手捻りで生じる”嘯裂”(しょうれつ)のみで表面のテクスチャを作り上げました。

 

自然界に存在するような割れを嘯裂だけで表現するため、より繊細で自然体で手捻りする事になり実は熟練の陶芸家さんで無いと実現が難しいのです(現在は自然な割れの方が植物との親和性が高いと考えているため)。

 

高台裏の機械的な処理は有機物と無機物を組み合わせたようないい意味でのメリハリが出ればいいなと思っています。

 

 

 

 

 

 

 

 

その昔…火山の島ハワイ島に訪れた際、その広大な土地を覆い尽くす真っ黒な火山岩を見てとても興奮したことがこのGravityのテクスチャに実はフィードバックされています。

 

以前の触ると切れるようなエッジは封じ込め、どこか有機的でしっとりとした質感が植物の植え込み欲を刺激してくれるのではないでしょうか?

 

ベーシックタイプに関してはかなり細かいサイズ展開を予定していますのでサボテン、アガベ、アロエ、サンスベリアなど…楽しく植えていただきたいなぁと思っております。

 

いつかこの鉢をハワイ島に持っていき「お〜〜馴染んでる!!」と誰にも分からない喜びを体験したいものです。

 

 

陶芸家のご紹介 01 / 大原光一さん (常滑)

2017.07.13

 

 

Solomonシリーズのハンドメイドポットを作る陶芸家の大原光一さん。

 

 

新作の打ち合わせや「なんだか会いたいな」という思いに導かれ常滑に。

 

 

 

 

DSC02254大原光一さん。物静かで素朴な雰囲気だがお話しをすると内に秘めた熱いものを感じることが出来る。

 

 

 

 

DSC02245いただいたお昼ご飯。陶器から食べるものまで全て大原さんの手作り。

 

 

 

 

DSC02252ふと本棚を覗くと気になる書籍が多いことに気がつく。

 

 

 

 

DSC02250陶芸家さんにとって個展はとても重要な意味を持ちます。

 

 

 

 

DSC02273山から運んできた土をハンマーで砕く、とても地味な作業。

 

 

 

 

DSC02282土なんて生活の中で特に意識することは無い、けれど陶器は私たちの生活になくてはならないもの。

 

 

 

 

DSC02283水で混ぜられ粘土状になった土。

 

 

 

 

DSC02278陶芸家の庭。

 

 

 

 

DSC02298捏ねられる土。板が軋む静かな音だけが工房に響く。

 

 

 

 

DSC02304ろくろ成形。全ての動きに無駄が無く黙々とろくろを回す。

 

 

 

 

DSC02334緻密な作業も特に何の変化も見せずにこなしていく。

 

 

 

 

DSC02335底穴を開けられた瞬間から他の陶器とは全く違う用途が生まれる。

 

 

 

 

DSC02316窓からは常滑の素朴な風景が広がる。

 

 

 

 

DSC02319釉薬を攪拌させる。

 

 

 

 

DSC02314どこまでも漆黒の釉薬は「黒秞」と名づけられている。

 

 

 

 

DSC02322施釉という作業。

 

 

 

 

DSC02324施釉され少しづつ命が吹き込まれていく。

 

 

 

 

DSC02327バケツに入れられた黒秞。

 

 

 

 

DSC02249素焼きの陶器、施釉された陶器。

 

 

 

 

DSC02280残念ながら窯につめる工程は見ることができなかった。

 

 

 

 

DSC02270日々食料となる野菜を作るのは得意な大原さんも多肉植物は少し苦手なようです。

 

 

 

 

DSC02267工房を後にする、どんよりとした曇り空だがジットリと暑かった。

 

 

 

 

雑記 

いつも書く記事と少し趣向を変えて写真を主体としてみました。

 

大原さんは陶器に使用する土、灰、釉薬、全てを手作りで作っています。

 

膨大な手間をかけてでも実現したいモノゴトがあると大原さんは語ってくれました。

 

工房の前に広がる海で釣りをし近所の畑で野菜を育てる。陶芸だけにとどまらず身の回りの多くのモノをDIYの精神で作り上げています。

 

男が惚れる生き様と、工房に行くたびに「清貧」について考えさせられる。

 

ブランディングやマーケティングと言った考え方とは遠い所に身を置きつつ浮世離れしていない素直な感覚。

 

お会いする度に気づきがあります。

 

 

大原光一陶暦
1974年 東京生
1994年 大学中退後、書家シュトラッサー・ベロニカ氏に師事 焼き物を始める
1995年 日本の陶産地を訪ね歩く 写真家藤井友樹氏に出会う 様々な知己を得る
1996年 南山陶苑入社 常滑に移住
1999年 同社 退社 独立 韓国の陶産地を訪ね歩く
2000年 韓国麗州郡国際陶芸博覧会ワークショップ参加
2003年 タイ プラナコーン大学にてデモンストレーション
2004年 韓国麗州郡国際陶芸博覧会ワークショップ参加
長野県飯田市にて知人の穴窯を造る
2005年 常滑国際陶芸ワークショップ(IWCAT)の穴窯を造る
2007年 常滑市まねき猫プロジェクト参加
2009年 常滑国際陶芸ワークショップ(IWCAT)の半地下式穴窯を造る
2010年 韓国麗州郡国際陶芸博覧会展示販売
2011年 米国シカゴ市Theaster Gates Studioにて制作
2013年 米国シカゴ市Theaster Gates Studioにて制作
2014年 長三賞陶業展入選
2015年 トルコIstanbul biennalに参加

 

 

Takehiro Ito Exvision 2016/07/16-17

2016.07.13

益子で作陶される伊藤丈浩さんのエキシビジョンをくる07/16-17の2日間TOKY東日本橋の実店舗で行うことになりました。

 

 

伊藤丈浩さんはスリップウェアで国内外にファンの多い陶芸家さんなのですが今回は特別に鉢のみの展示販売となります。

 

 

泥場の化粧土で描く特徴的な模様は芸術の域に達しており男女、年齢にかかわらず多くの陶芸ファンを虜にしています。

 

 

2日間という限定的なエキシビジョンですがご都合の合う方は是非TOKY実店舗を覗いてみて下さい。

 

 

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Takehiro Ito Exvison

2016/07/16-17 (2day’s) Open12:00~19:00

伊藤丈浩オフィシャルブログ

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