お陰様でTOKYの取り扱う鉢はオリジナルものから既成品のものスムーズに売れており嬉しく思います。
しかしそんな中でもひっそりと消えていく鉢メーカーもあります。
以前TOKYで販売していたHerirtage Potです。
とても風合いがよく使い勝手もいいのに小売り価格が500円未満というのはいくら何でも単価が低すぎると思います。
残念ながらこちらの鉢を作っているメーカーは倒産してしまい現在は手に入りません(他のメーカーがほとんど同様のデザインのものを販売していますがそのいきさつは分かっていません)
単純に単価を上げるだけでは「高いから売れない」となってしまう懸念もあっての価格設定だったのだと思います。
この鉢にも幾つか植物を植え販売したり所有もしましたが値段以上の価値があると思いますし植える植物や植え方によっては鉢は更に魅力的に見えたりします。
「特別な植物には特別な鉢を」
特別な植物というのはレアだとかそういうことではなく所有する人が特別だと思っている植物を指します。
観葉植物と名がつき「この植物をもっと身近に置いて接していたい」と思った時から鉢の存在はずっと色濃くなります、観葉植物に接する人はもっと鉢のことをじっくり考えてみてもいいと思うのです。(プラ鉢は生育・生産のことを1番に考えているので機能性があって安いのが1番だと思います)
極端に言えば植物が500円で鉢が3000円でもその2つが組み合わさることによって生じる感情は植物と鉢に対する新たな価値を生み出す小さくも大きなトリガーになると思っています。
TOKYで取り扱うオリジナルの鉢も作家さんが昼夜釜を焚いて何十という割れなどの失敗を繰り返して作られる特別な鉢たちです。
でもそれ以外の既成品の鉢もそういう作家さんの努力が見えにくいだけでとても手が込んでいたりするものが多いのです、その企業努力は私たちが想像するよりも大きいのです。
植物の価値は時流やワシントン条約などによって大きく変わります、でも鉢の価値は大きく変化が無い、今のままでは低すぎると思っています。
美しさや使い勝手を追求した、創意工夫が込められた鉢をインダストリアルデザインという立ち位置に引き上げたい。
既に入手できない素敵な鉢が沢山あることも悲しいですし現在取引しているメーカーさんでもとても素晴らしいのに割に合わず廃盤となる鉢が沢山あります。
もっと鉢の価値を向上できるよう、TOKYは今よりももっと頑張ります。
ちなみにサンプルであがってきたPot Tシャツを着ていつも行く床屋さんに行ったところ理容師さんがTシャツを見て「それってティファールとかのポットですか?」と聞かれました。
「鉢って意味もあるんだよ!!」と説明しましたが全然通じずスマホでググり初め「あぁ、ポットって鉢って意味もあるんですね、鉢って植物の鉢ですか?」
まだまだ鉢の知名度と重要性は一般に低い、いや低すぎるようです…頑張ります。