お客様&業者さま共に、余りに多く聞かれるのでこちらで書かせて頂きます。
Q.TOKYは何故土偶のソフビを作っているの?
この件については必要性を感じ時間をかけて作られたプロダクトなので、特に近年TOKYを知ったお客様には不明な部分だと思います。
「何故園芸店が土偶のソフビを作っているの?」
下記にその理由を時間軸を元に列記してみました。
1.陶器製の遮光器土偶との出会い
[2016年夏]
取引先との打ち合わせの為に栃木県を訪れた際、土偶を制作・販売している陶芸家の男性と出会いました。
当時仕事にも疲れており、なんとなくセンチメンタルな気分になっていました。
その土偶を手にした時、あまりの愛しさに「あぁ、俺のともだちはお前だけだ」と思ったことが全ての始まりでした。
その陶芸家の方には卸売させていただくことになり、その際にTOKYの商品と分かるように首の後ろに竹串で『T』と彫ってもらうこととしました。(意味としてはご察しの通り、TOKYの頭文字、そしてTOMODACHIの頭文字でもあります)
これが陶器製の『ともだち』の誕生となります。
この後作られる陶器製ともだち初号機の登場により、後に『ともだち零号機』と改名されます。
2.陶器製のともだちがヒット
[2016年秋]
嬉しい誤算だったのですが、この陶器製ともだちが大変に好評を博しました。
植物単体だけだとどこか寂しい時や、アクセントとしてともだちを隣に置き、SNSなどでシェアする人たちが後を立ちませんでした。
常にその陶芸家の方にバックオーダーをしているのですが期間は数ヶ月かかりますし、一度の限界納品数は50体なので需要と供給のバランスが取れず苦労することになります。
ちなみに現在は欲しい人達にあらかた行き渡ったこともあり、販売から三日間くらいかけてゆっくりとSOLD OUTになるイメージです。
3.オリジナルデザインの遮光器土偶ともだち初号機の制作
[2018年秋]
陶器製ともだちを見ている度に「オリジナルの土偶デザインしてみたいなぁ」という気持ちが芽生えました。
そして当店でもおなじみの陶芸家 土師吉田さんにご相談してオリジナルの土偶を開発することになりました。
それがこの陶器製ともだち初号機です (詳しくはコチラを参照)。
ソフビからしてみると随分華奢なスケッチですね。
このスケッチを元に土師吉田さんに原型を制作いただき、その後型を製作。そうして生まれたのが『陶器製ともだち初号機』です。
こちらの初号機は零号機以上の大ヒットを見せ、未だになかなかご購入いただけないお客様もいる商品となりました。
勿論皆様植物の横に置いて頂いたり、インテリアなどとしてお使い頂いております。
ただ、その工程は勿論手作業ですので結局時間がかかり作れる数は月に30体弱が限界なのもまた、需要と供給で頭を悩ますこととなります。
そして、陶器製ともだち零号機&初号機ともに陶器でできていますので落下させ破損させる方々が後を立たず悩んでおりました。
私は元々おもちゃが好きなのでその中でも日本発祥の歴史のあるソフビで作ることを考えました。
ソフビとはソフト塩化ビニールの略で、成形方法もシンプルで大量生産に向いており尚かつ、落としたりしても破損しにくいので素材的に向いています。
そこで陶器製ともだち初号機の塗装を行ってくれているアルチザンデザインスタジオ(以下ADS)に相談してみることになりました。
4.ソフビ製ともだち初号機の制作
[2019年春]
以前書いたスケッチを元にADSがCGでモデリングを行い原型を制作。
そして下町のソフビ成形を行う工房で制作されたものが現在販売を続けているソフビ製ともだち初号機なのです。
勿論首の後ろには陶器製からも受け継がれた『T』の刻印が入っています。
ちなみに素材がソフビになっても、植物と共に撮影してSNSにアップしてくれる方が多いのはとても嬉しいです。
陶器製ならまだしもソフビという素材は園芸には遠い素材だと思っていましたので。
以上の様に『パッと』出現して意味もなく売っているのではなく…
- ・まずは園芸ユーザーの方々が陶器製のともだち零号機を愛でてくれた
- ・自身も愛でる中でオリジナルのともだちを作りたくなった
- ・陶器のオリジナル遮光器土偶、ともだち初号機を作ってみた
- ・破損が多いことと、大量に作れないことが常にネック
- ・ソフビで作ってみよう
上記の流れの中でソフビ製ともだち初号機は、私達の中では極自然に生まれた商品なのです。
当店にはそれ以外にもお客様から見たら「?」なアイテムが沢山あると思いますのでその場合はお気軽に聞いてくださいね。