先日の営業日にお客様より「2018年楽しかった植物のBlog書いてよ」と言われ思い出しました 笑。
今年も新しい植物との出会いが沢山ありました。以前から大好きな植物もでてきますが。
巻末に来年の抱負的な展望的なことも書いてあるのでそちらも是非読んでみてください。
ちなみに番号がふってありますが、順位ではありません。そしてやはり「この種が好きだ!」ということも当然ありますが思い入れなども含んでの評価です。
植物って手に入れたときや管理して苦労した分だけ好きになるので。
1.ユーフォルビア・エチュベルクローサ (Euphorbia etuberculosa)
Cactus Greenさんのポストを見て「なんじゃこりゃ」と思い車を飛ばして温室にお邪魔して…ひと目、二目惚れ。
他の植物には無い圧倒的に鮮やかなライムグリーンの樹皮。
花も常に咲いたり枯れたりしているのですが一般的なユーフォルビアとは明らかに異なる花の形状。
受粉の可能性を加味し、清水舞台から飛び降りて二株手にしましたが花の形状を見ても雌雄異株なのか同株なのかもよくわかりません。
ヘンテコ中のヘンテコ、やっぱりな〜のソマリア原産ユーフォルビア。謎に満ちたその存在にたまらなく惹かれます。
2.エケベリア・カンテ (Echeveria cante)
以前趣味家さまより仕入れさせていただいたもの…の子株です。
TOKYは本当に夏暑く、涼しくて風通しのいい場所を植物に提供できないこともあり涼しいのが好きな植物はよほど強健でないと昇天してしまいます。
カンテは毎年必ずやらかしてしまい、この二株は実は大株のを腐らせてしまい手術で救った二株でまだまだ本調子ではありません。
なんとか絶やしたくない、という執念的な気持ちのせいかとても愛着が湧いています。
順調に水を吸って本来の輝きを取り戻す日を楽しみにしつつ来年の夏越しに頭を悩ませる。
そういうのも園芸の楽しみ方…としたいところです 笑。
3.アズテキウム・リッテリ 花籠 (Aztekium ritteri)
花籠という和名で有名なサボテン。
普段は石のようにカチカチの癖に成長期には株をふっくらと膨らませ、花を咲かせる瞬間はとてつもない輝きを放ちます。
メキシコの標高が高いラヨネスという村の近郊にしか生息していないというミステリアスさも魅力です。
お友達で画家でハードコアな植物好きな佐野馨さんの自生地写真を見て栽培のヒントを得たり…物言わぬ植物のいいところが凝縮したようなサボテンです。
4.サンスベリア・シリンドリカ ‘ボンセレンシス プチ’ (Sansevieria cylindrica ‘boncellensis Petit’)
品種改良された小型のドワーフタイプなサンスベリア。
大きくならずある程度のサイズになると子株をポコポコだしてくれて大変に可愛いです。
子株を増殖させれば永遠に増やす事ができますし、大きくならないので邪魔にもなりません。
そして何より…手頃な価格感!! 斑入りのサンスベリアはまだまだ高嶺の花ですがこの辺のサンスベリアは誰も取り合いませんし平和です。
成長早いのも魅力ですし、子株がとれたら友達にプレゼント。そんなとこも含めて素敵な植物です。
5.ロフォフォラ・フリチー 銀冠玉 (Lophophora fricii )
「なんでもっと早くに初めていなかったんだろう」そう思わせてくれたサボテン。
シルバーブルーの樹皮にアレオレから羽毛の様な毛が出る様が素晴らしく綺麗かつ可愛いです。
株自体はすごく柔らかく、自生する現地球は未だにネイティブ・アメリカンたちに儀式として使われる神聖な存在の様でそういった背景を知ることで更に植物の深みにハマることができます。
コブの大きいものや特に肌の白いもの、様々なタイプが存在しているので沢山欲しくなってしまいます。
6.ハオルチア・ピクツラータ 桜水晶 (Haworthia gracilis var. picturata)
根源的に好きなハオルチアです。
尊敬する趣味家の方より譲って頂いた思い出も加味していますが透き通る葉に蓮の花のようにコンモリと出来上がるロゼット。
夏の暑さにも強く管理が楽、そういうことも含めて好きです。
今年は5株ほど子株を出してくれましたので大事に大事に育てています。
奥に見える立派な親株がもちろん宝物ですがその子どもたちも同じ様な株姿にしてあげる、そんなことも含めて楽しみの尽きない植物です。
7.ストロンボカクタス・ディスキフォルミス 菊水 (trombocactus disciformis)
こちらも上の花籠の様にカチカチで石の様な姿と美しい花とのコントラストが魅力的なサボテンです。
尊敬する先輩であるShabomaniacsさんのブログを見て「いつかは…!!」と思っていたら結構集めてしまっていました。
ミッシリと詰まったアレオレと青磁色の株、そしてそれほど鋭くない、どこか優しく密集するトゲも大変に美しいです。
ちなみに奥の菊水は花弁のフリルが多いタイプで開花期は息を飲む美しさです。
8.ユーフォルビア・トゥレアレンシス (Euphorbia tulearensis)
大味なマダガスカルのユーフォルビアの中においてこの小作りで魅力の詰まった葉性は本当にたまりません。
タイプも多く作られているようで手前は緑色の強く出ているもので奥側はもう少し深みと赤味がかかったタイプです。
様々な先輩方に昔から言われていたことですが「そのうち株(例えばぽっこりしたパキポディウム)ではなく葉こそ素晴らしいということに気がつくよ」と。
やはり知れば知るほど知識と目の解像度は細かくなり、そういった細部に目を凝らし新たな素晴らしさに気が付かせてくれる。
トゥレアレンシスもそんな植物の一つです。
9.アガベ・チタノタ ‘白鯨’ (Agave titanota no.1 ‘Hakugei’)
実はTOKYの管理場はとても狭くトゲが鋭くロゼットの広がる植物は若干苦手なのですが白鯨はコンパクトで管理のしやすさもポイントです。
もちろんうねった白い牙とギュッとしまった葉も大好きです。
後はアメリカから輸入が盛んな昨今においてはこういった園芸品種をじっくりと育てることに深みを感じています。
地植えされた恐ろしく迫力のあるアガベにも勿論魅力を感じますが、TOKYではやはりワンハンドできる上で顔つきの大人っぽい植物を好む癖があるようです 笑。
こちらの白鯨は国内の栽培家さんによる作り込み株ですが、負けてられないなと奮起させられます。
10.ユーフォルビア・ポイゾニー 錦 (Euphorbia poissonii variegated)
あまりにも美しすぎて沢山仕入れてしまったポイゾニー錦。
不死鳥の羽のような(見たこと無いけど)美しさを放つその葉は比類なき存在感です。
温室に一つあるだけでも輝いてくれるのでぱっと明るくなります。
一昔前はひと枝ウン万円もしたそうですが今はいい時代になりましたね。買いやすい値段での購入が可能な時代になりました。
さて、いかがだったでしょうか?
特に商売っ気なく目の前にあるものから選んでみました。
そして来年も楽しみですね。ただ2018年の様な異常な暑さや連続する大型台風の直撃などが無い年になればいいなと願っています。
あとはやはり、焦らずじっくりと、そして積極的に植物の栽培に取り組みつつ、最も核である植木鉢の開発により邁進できればと思います。
ブームも少し落ち着いた感があります(植物も鉢も)。
TOKYとしてこれからこの新しく生まれた園芸のブームを文化として定着させていけるか、本当の勝負と言っても過言ではありません。
実は実店舗と同じ建物内にもうワンフロアー借りました。ただそこで何かをするとかではなく今ある非効率を効率的にするスペースにできればと思っています(簡単に言えばネットショップ運営のためのスペースなどを設置)
全てを捨ててこの仕事をしているリスクは大変に高いですが、だからこその信念の強さは誰にも負けないつもりです。
まぁ堅苦しいこと抜いて楽しむ気持ちも忘れない様にしていければと思っています。